市況 特集

名古屋の不動産どうなる?

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先日は僕が役員をやらせていただいている某協会の定期講習に行ってきました。毎回どんな講師をお呼びするかでみんなで悩んでます。

今回は名古屋と全国のマーケット感について講習いただきました。不動産の戦略的には大変重要な要素であります。特に今後1年~2年の間の不動産マーケットの動きには敏感でなければならない、業界はそんな時期を迎えていると思います。備忘録もかねて僕の感覚もまじえてちょっとだけ要点を抜粋しておきます。データの著作権とかある(?)かもしれないので詳細は載せてません。(2019/12/18)

 

 

東京の流行・市況が他地域に伝わる期間 タイムラグ

東京のマーケットの動きがその他大都市圏、地方圏に波及するのにどれぐらいのタイムラグがあるか。

東京で流行したものが半年遅れで大阪で流行し次いで名古屋で流行する。この表現はかねてからよく言われていたことですが、最近はネット等の情報流通手段が広まったことから、東京の流行やマーケットの動きは、”即座に”その他都市圏、地方圏へ伝播していきます。東京の市況の動きや景況感の向きについて特に敏感に注視していく必要があります。東京がこうなったから、そろそろ自分の地域でも・・・という感覚では”時すでに遅し”となってしまう時代なのでしょう。東京の大手不動産会社の目標売上未達、取引件数未達などの情報が入ってこればその兆しかもしれませんし、市況DI予測値などから景気の頂上を知るヒントが得られるかもしれません。

 

地価動向 公示地価の推移

名古屋圏の平均公示価格(国主導の地価の定点観測みたいなもの)との前年比は6年連続プラス。2014年以降は毎年上昇しているということが読み取れます。ところが、○○圏という広いエリアで見ると好況であっても、そのエリア内でも格差が顕著になってきています。これからは名古屋圏というように大きなくくりではなく、もっと細かく市区単位で見ていく必要があります。愛知県内だけを見ても、名古屋市は前年比(平成30年→平成31年)変動率2.3%と上昇を続けていますが、知多地域などでは地価マイナスとなっています。地図で色分けすると特に県南端、南西部ではマイナスが顕著です。このように細かなエリアで分けてみてみると、名古屋圏全体では地価上昇となっていても一部のエリアでは下落していることが読み取れます。

地方の札幌市、仙台市、広島市、福岡市では上昇率で三大都市を上回っています。全国的にみるとインフラの強い地域、観光に強い地域で地価の上昇がみられる一方で、一部のエリアでも特需(原発廃止による作業員の受け入れ、学校新設にともなう学生の増加など)の見込みのあるところは上昇しています。

 

着工戸数、持ち家意識の変化

愛知県の持ち家の着工戸数は前年比0% 県全体で見るとこのような結果です。どうでしょう?みなさんの感覚と合ってますか?愛知県は着工戸数全国26位です。ここでもやはり、県全体でみるのではなく個別の市区別にみていかないと実情は把握できそうにありません。

いろんなデータを見比べながら今後の不動産市況を予測するのはおもしろいですね。不動産の所有のニーズにもいろいろありますが持ち家意識にも変化がみられることも注目したいです。いつかは自己所有の一戸建てに住みたいと考えるのはもう昔の話で、今では戸建よりも分譲マンションが高く、マンションが高値の花になりつつあります。また、そもそも所有することに対しての意識の変化があらわれてきています。1993年のデータでは「借家でも構わない」と考える人の割合が9.4%であったのに対し、その後その割合は増え続け2017年では16.3%もの人が借家でも構わないと感じています。

また、年代別でみると特に若者世代にそう感じる人が増えており、20代の人のうち借家でも構わないと考える人は34.4%にもなります。価格の高騰や将来の不安から、一生住宅ローンにしばられて終の棲家を取得するよりも、住み替えしながらライフスタイルにあった賃貸物件を選ぶという考えが増えてきたのでしょうか。

賃貸住宅の着工件数はリーマンショック後の2011年を底に(285,832件)、その後増加を続け、2018年では396,404件まで増加しています。一方で、この間に解体除却された建物もあります。(どれだけの建物が解体されたかというデータはあまり公開されていません。国交省の着工統計から建築年代別の戸数を調べ、前回調査時点と比べて減った数値がすなわち解体された戸数ということになります。)平成20年から平成25年の間に賃貸住宅は133万件ほど解体されているようです。その5年間で新築された賃貸住宅は158万件。(空き家の補正をして)純増は5年間で40万件程度となります。

 

建築費高騰による専有面積の狭小化

建築費の高騰がマンション価格に跳ね返ってくるわけですが、今後も建築費の高騰は収まりそうにありません。分譲マンションの販売価格の総額が高くなればなるほど個人の手が出なくなります。マンション業者は販売価格を抑えるために、専有面積を小さくしていく傾向にあります。大変興味深いデータがありましたのでグラフにしてみました。つまり、地価高騰、建築費高騰がつづくと、供給されるマンションの面積がどんどん狭くなっていくわけです。僕の住んでいるエリアで最近分譲されたマンションでも、昔なら3LDKが買えた価格で1LDKが売出されています。東京オリンピック、リニア中央新幹線の建築需要がおさまっても各地のコンパクトシティ化に向けた建築ニーズなどで建築費は落ち着きを見せないと言われています。建築費が今後も高いままであれば、新たに供給される新築マンションは後になればなるほど狭くなっていくのかもしれません。

 

人口動態、コンパクトシティ 人・施設が集まる場所は?

まず、我が愛知県は既に人口減がはじまっています。自然減(生まれた人より亡くなった人が多い。人口マイナス)を社会増(転出より転入が多い。人口プラス)で補えきれず、人口減。人口増となっている都道府県は全国でわずか5都県(東京都、沖縄県、神奈川県、千葉県、埼玉県)。その他はすべてで人口減です。ちなみに自然増(生まれた人のほうが亡くなった人より多い)だったのは全国で沖縄県のみ。人口増となった5都県では地価変動率も上昇しており(住宅地、商業地とも)人口と地価の関連性がみてとれます。少子高齢化が進む中では人口増減だけでなく「生産年齢人口」も重要です。不動産を購入するのは働き盛りの年代が旺盛だとすると、生産年齢人口が少ないエリアでは不動産の流通は停滞してしまうおそれがあります。

愛知県内の生産年齢人口の”割合”が高いランキングは興味深い内容でした。上位から豊山町、高浜市、知立市、刈谷市、東海市、清須市、北名古屋市、長久手市、常滑市、大府市(上位10位まで)。愛知県の多くのエリアで全国平均よりも高い割合となっています。

人口と地価は連動し、生産年齢人口の高い地域で不動産流通が盛んであることを前提とすると、将来の不動産戦略の糸口が見えてきそうです。逆に、この条件を満たせない地域に不動産を所有している方は売却や買い替えなどで資産の組み替えを検討する必要も出てくるのではないでしょうか。

少子化が進む将来では行政サービスやインフラ整備も行き届かなくなります。限られた財源をまんべなく広く投下するよりも、市民にはできるだけ密集してもらって局所的に集中してサービスを提供することが行政にとっても民間にとっても効率が良いことは明らかです。そして既に「特定のエリアに人と施設を集める」という色分けはされています。

#都市再生特別措置法 #都市再生緊急整備地域 #なごや集約連携型まちづくりプラン

「不動産格差」が生じます。いらない土地、だれもほしがらない土地が増えてくるのでは?

このように同じ経済圏であっても格差が生じることになるため、「名古屋圏」とか「愛知県」とかの大きなくくりで考えるよりも、もっと細かくピンポイントで分析しなければならなくなっていくでしょう。

 

 

今後の不動産どうなる?

名古屋市のプランに限らず全国的に色分けはされています。「人と施設が集まる場所」に指定された地域では高層建物やマンションが立ち並び、行政サービスや公共施設も手厚くなる。生産年齢人口+観光資源+インフラの条件を満たす地域は不動産のニーズ(建築も)が高まり、そうでないところは不動産の価値が下がっていく。東京オリンピック、生産緑地解除、北陸新幹線、大阪万博、リニア中央新幹線開通、IRカジノ構想、団塊世代の相続大量発生、その時々では一時的なかたよりはあるかもしれませんが大きな流れとしては「人口集約」による「不動産格差」。立地の選別をして、建物の選択をして、長期的な視点で不動産戦略を立てていきたいものです。減っていく人口を大都市間で奪い合う時代が来るかもしれません。

 

長文になってしまいました。。。
急いで書いたので乱文ご容赦ください。

では忘年会いってきます^^

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