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2020年『特許法(意匠法)改正』で不動産どうなる

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特許法等の一部を改正する法律案が2019年5月10日に可決・成立。2020年施行。
不動産業界にはあまりなじみがありませんが、この意匠法改正によって我々不動産業界でも意匠(デザイン)には注意していかなければならなくなります。

※僕は特許法に関して素人です(笑)特許法改正に関する詳細はググってください。ここでは不動産業に携わる一個人としての疑問点や注意点を備忘録として記載します。

 

メモ

意匠権
物品の形や模様、色などの要素からなる「デザイン」のこと。意匠登録したデザインの生産・使用・販売を独占できる。また権利を侵害(同じデザインを使用販売等した)した者に差し止めや損害賠償を請求できる権利。知的財産権の一種です。

 

メモ

建物のデザインは意匠登録できるか
意匠法によると登録できる意匠は物品と結びついたものでなくてはならず、工業的に量産できるものであることが要件。建物はこの要件を満たさないため、これまで建物のデザインを意匠登録することはできなかった。

 

時代とともに法律も変わっていきますね。今回の法改正のポイントとして、

  • 空間デザインの保護
  • 画像の保護対象の拡張

他にも改正点がありますが、不動産ブログとしてこの2点に絞って記載します。

 

 

空間デザインの保護

要は、建物外観デザインや内装デザインが保護されるようになった、ということです。
僕は無知で、今までは”外観デザインは意匠登録できなかった”ということすら、、、というより建物の意匠登録という概念さえありませんでした。

結論として、今回の改正で建築物が意匠登録できるようになったそうです。

不動産にあてはめてみましょう。
たとえば、建物を新築するプロジェクトがあったときに、地域のランドマーク的なビルになってほしいという想いをこめて、特徴的な形状を採用したり、有名建築物を模して設計したりする場合は権利侵害にならないか注意する必要がでてきます。極端ですが「東京スカイツリー」の形状に似た建物を建築した場合に、権利侵害で損害賠償請求をされることもありえるということです。

実際に、コメダ珈琲店の訴訟問題が今回の改正のきっかけのひとつになったそうです。一目見てコメダとわかるのは、店名ロゴや色づかいだけでなく建物の形状や外装を含めた全体としての外観が統一されているからなのかもしれません。

コメダ珈琲店

企業が長い時間とお金をかけてお客さんに周知してきたデザインを、まるっと模倣してもお咎めなしなんてムシが良すぎますよね。コメダさんいつもお世話になってます^^

 

ほかにも有名建築家のデザインをちょこっと拝借、なんてことも気を付けましょう(笑)

名古屋市中区 御園座(隈研吾)

 

マンションや商業施設の大規模改修時などに外観リニューアルする場合、有名建築物を模した外観にしたり、特徴的なデザインにする場合は(模倣する意図がなくても)意匠登録が無いか調べることも必要になってくるかもしれません。また、中古マンション購入後の内装リノベーションなども対象になってくるため特徴的なリノベも注意が必要です。(住宅系の意匠はそこまで厳しくならないと予想しますが。販売商品としてのリノベは別か)

 

これまであまり気にしてこなかった建物外観や内装デザインの保護。意匠について無関心だった企業も”既に意匠登録されているデザインの権利侵害にならないか”を注意しなければならなくなるのでしょうか。また、既に建っている建物についてはどのような解釈になるのでしょうか。引き続き勉強したいと思います。

あべのハルカス

名古屋市中村区 大名古屋ビルヂング

 

 

画像の保護対象の拡張

これまでも”物品に固定されている画像”は保護対象となっていました。
昔につくられた法律が時代にあわせるように、現代のスマホやクラウド社会における画像の表現方法に対応したというところでしょうか。
たとえば、クラウドを経由してパソコン画面に表示される画像は”物品に固定されている画像”ではありませんが、この一時的に表示される画像も登録可能(保護の対象)になることになります。つまり、”物品”じゃなくても良いということになったわけです。

不動産にあてはめると、、、
あまりイメージはつきませんが、プロジェクションマッピングのように建物に投影する画像も登録可能になるとすると、このような手法で建物にデザインを付加している物件がある場合は注意が必要になってくるでしょう。かつてはマンションのブランディングの方法としてエントランスにライオンの像を設置したり、外壁をボーダー柄にするなど、一目みたらどこの会社のどんな建物かがわかるような手法が見られました。これに代わり、光を照射したり、画面に映し出して画像を表示しブランディングの手法とすることは十分に考えられると思います。

画面に映し出されたデザインや光で投影されたデザインなども注意が必要になってきます。

日光の影も意匠登録の対象となるのか? 名古屋市 ささしまライブ駅からグローバルゲートへの通路

ネオンサインの意匠、色づかい、点灯パターンはどうか

水のしずくによる表現はどうか

 

さて、個人的には今日から仕事はじめです。みなさま本年もよろしくお願いいたします。

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