セミナー|賃貸経営判断基準10選

 
 
大家さん向けのセミナー講師を担当させていただきました。テーマは「賃貸経営判断基準10選」短い持ち時間でしたので表面的なご説明に留めましたが、終了後には細かく教えてほしいとお声がけいただける大家さんもいて、みなさん熱心に勉強されているようでした。
テーマ
  • 賃料分析 総潜在収入とCFツリー
  • 収益性分析 総収益率と自己資金配当率
  • 融資分析 ローン定数とレバレッジ判定
  • 運営分析 平均入居期間と手残り賃料
  • 収益性分析 正味現在価値と内部収益率
結構ボリュームあるので一部抜粋してご案内します。
 
賃貸不動産の賃料分析は行っていますか? 管理会社から送られてくる月次レポートはみなさんご覧になると思いますが、年間収支は?過去○年間との比較は?
上記図は賃料収入から経費と返済と納税を経て、税引後の手残りキャッシュまでの流れです。 現況賃料や表面利回りを気にされる方も多いですが、納税した後の実際の手取りについてご説明させていただきました。 まず図のスタート地点である「総潜在収入」とは、”現在の相場賃料で、空室がひとつもない場合の満室年間賃料”の想定のことで、つまりその物件が稼ぎ出せるMAX賃料のことです。 この総潜在収入を基準に分析することでいろいろな分析テクニックが使えるという内容です。 なぜ満室賃料を基準にするかというと、家主にはいろんな考え方があって、「安くしてでも満室を狙う」「値下げに応じずに相場を維持する」などの考え方によって、実際の賃料収入は上下します。同じ物件であっても家主判断で賃料収入は異なります。賃料収入を分析する際にはノイズが生じるため、本来の物件のポテンシャルである総潜在収入を基準に各種分析を行うと良い訳です。 実際の賃料収入は「総潜在収入-空室損」であることを分析のスタートとします。
 
 
賃料分析の一部をご紹介します。
運営比率=運営費÷総潜在収入純利益率(NOI率)=純利益÷総潜在収入
満室賃料を基準にしたときの、運営費・純利益が占める割合です。ご自分の保有物件の運営比率は何%か。あるいは、購入を検討している物件の運営比率は。 市場には運営比率やNOI率のデータが公表されています。この指標と比較して調査対象の物件は運営費が高い、純利益が低い、などと分析をすることができます。 また、運理比率が高い物件は、運営費削減による収益性アップの余地があるかもしれない、という考え方もできます。
 
これらの分析のスタートとなる総潜在収入は少なくとも年に1回ぐらいは見直してみると良いです。 この分析は意外と手間がかかるので管理会社にお願いしてみてはいかがでしょう。地域の仲介店の「このあたりはだいたいこれぐらいの賃料相場」という情報も参考になりますが、実際の事例から算出することによって根拠をもったデータとなります。 左の図は簡易調査であり、対象不動産から半径○mの範囲の競合類似物件をピックアップし、対象物件の築年数前後5年などとフィルタをかけて抽出します。 賃料は建物グレードや設備に依存しますが、比較的築年数の近い物件は同等の設備であろうという前提です。使用するフィルタ条件は少し注意が必要です。 右図は、近隣の競合類似物件を複数ピックアップして、築年数、設備、環境など、各項目ごとに加点・減点を行い、対象物件の賃料を出す方法です。少々手間と時間がかかります。
以上のように満室賃料を基準に分析することで、指標との比較、昨年対比、問題点改善点の洗い出しをすることができます。 そこから、運営費、融資条件、納税などのステップを踏んで税引後の手取りをシミュレーションします。
セミナーの第一部のご紹介でした。