経費節減計画頓挫

date
2020/02/19
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不動産管理
抜粋
544人中2人の反対で白紙
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経費削減計画が「544人中の2人」の反対で実施できず

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マンション管理士資格の法定更新講習に参加。今回で2度目の更新です。実務でも管理組合の総会でマンション管理士として助言することがありますので、最新の知識をバージョンアップしていきます。
 
マンション管理士とは
マンション管理士(マンションかんりし)は、マンション管理組合のコンサルタントに必要とされる一定の専門知識を有している事を証明する国家資格であり、専門知識をもってマンション管理組合の運営、大規模修繕等を含む建物構造上の技術的問題、その他マンションの維持・管理に関して、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者などの相談に応じ、適切な助言や指導、援助等のコンサルティング業務を行う。マンション管理のスペシャリストとして、主に管理組合の立場でマンション管理に関する様々な問題の解決をサポートする。
 

分譲マンションの管理組合

分譲マンションにお住まいの方にはなじみの深い「管理組合」のお話です。マンション内のルールや修繕工事などは所有者全員で構成する管理組合が判断し手配していきます。不動産の知識に深い所有者もいるでしょうが、ほとんどの方は何をどうすればよいのかわからないことも多いのではないでしょうか。それでも多くのマンションでは順番に理事の役割がまわってきます。管理のプロである管理会社と交渉したり、多額の修繕工事の判断をしなければならなかったり。1年~2年で交代するとして、自分の担当の時には大きなイベントは起こってほしくないですよね。我々「マンション管理士」は”管理組合に助言する”お仕事をしています。そして法改正によってこれまで嫌がられてきた理事等の役割を外部の第三者専門家にまかせることができるようになりました。プロの専門家に交渉、判断をまかせることができるようになったのです。っていうか今までなんでこれができなかったんでしょうね。今後は高齢化によって管理組合をうまく運営できなくなり、理事の担い手も少なくなってくると予想されます。専門家の助言をあおいだり、まるっとまかせるという組合も増えてくるのかもしれません。今後は相談も増えてくることを見越して深く学ばなければならないジャンルだと思ってます。
先日ニュースになって関係者を悩ませた「分譲マンションの高圧一括受電」の話も紹介されていました。
 

電力契約に関する問題

マンション住人544人のうち2人が反対するから有利な電力契約に切り替えられない(涙)
電力自由化によって供給会社を自由に選べるようになりました。分譲マンションも例外ではなく、有利な電力会社と契約するということは各人の自由であります。さらに、マンション全体で”高圧一括受電”という方式に変更すると、より有利な電気料となります。簡単に言うと、まとめて電気を買って、マンション内の変電設備で使える電気にかえて、各戸に小分けにして売る。まとめ買いしてみんなで分けるというイメージですね。この方法も分譲マンションならではの問題がありました。
札幌市の大型マンション(544戸)にて
総会「電気料が安くなる方式に変更しよう!」
組合員「賛成!」(多数) 「反対!」(一部)
総会「4分の3以上の賛成がありましたので実施します」
新電力会社「みなさんが契約している今の契約を解約してください。全員が解約しないと切替できません」
反対者2名「拒否します」
組合「総会で決議があったので従ってください。従わないなら裁判します」
反対者2名「嫌です」
札幌地方裁判所「組合の言う通り。従いなさい」→嫌です
札幌高等裁判所「やっぱり組合の言う通り。従いなさい」→嫌です
最高裁判所 「組合の主張は認めない。専有部の電力契約は個人の自由。マンションの管理・使用に関する内容ではないので総会の決議でも無効」
新電力会社「切替できません・・・」
542名 「そんな・・・」
 
日本経済新聞「マンション電力契約変更、544分の2の「抵抗」は適法」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42235220Y9A300C1CC0000/
 
マンションの所有者全員がいままでの電気契約を解約して前述の契約をあらたに結ぶのですが、マンションの数人がこれに反対。解約しない人が1人でもいると新たな方式に切り替えられません。本来はマンションの維持管理行為や工事などは総会で多数決して、一定の割合が賛成すれば全員がそれに従わなければなりません。で、一括受電すれば安くなるのにかたくなに反対する数人に対して、管理組合は同意するように訴え、安くできなかった分の損害賠償まで請求しました。その結果は、最高裁までこじれて争った末、反対側の主張が認められました。つまり解約しないことは個人の自由として組合の決議の効力が及ばないとしたのです。これにより、他の人たちはいつまでも有利な一括受電に変更できないままになってしまいました。
これまで、電力の供給は特定の企業が寡占していました。当地でも昔からの電力会社とそのまま契約継続していることが多く、水道光熱費には無頓着です。数百戸の大規模マンションの電気料を一括で見直そうとしているのに、1人でも反対があればこれを実施できません。この最高裁の判断はおどろきです。現行法ではこういう判断になってしまうのでしょうね。
この度の民法改正のように、新しいしくみや慣習に法律が追い付いていないことは多々あります。分譲マンションの法律自体も比較的新しい法律でありますが、今後はこのあたりの取り扱いや法整備が整ってくることを期待します。
省エネの効果って分析していない人が多いから実感がないんですよね。各個人だけでなく、共用部の電力料も下がるわけですからとても大きなメリットがあると思うのですが。。。現状分析、削減効果試算、事後検証。やってみては?
 
おまけ
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名古屋駅東のリニア開発エリア周辺。解体現場やホテル新築など。いたるところで仮囲い、クレーンが見られます。それにしても人多いわ・・・